家出人とは、基本的に一時的な失踪で、1~3年までの失踪と考え、また、中学生や高校生などのいわゆる「プチ家出」、夫や妻の衝動的な家出などもこの分野に属しています。
家出の状況
警察庁が令和3年中に家出人捜索願を受理した家出人は、79,218人で、前年に比べ 2,196人(2.8%)増でした。このうち男性の家出人が占める割合が約 63%、
また全体で成人が占める割合は 82%となっていますが、実際に家出人捜索願が受理されている総数でこの数ですので、受理されていないもの、届出すら行っていないものを含めると、
まだまだ数字は増えるでしょう。
また、各年代ともに家出人が増加傾向にあると発表されていますが、私どもが仕事を通じて、ここ数年感じますのは、女性の家出人、
とりわけ30代40代の主婦の逃避行的家出が多いような気がします。
家出には必ず原因があり、それぞれの家出人には家出に至った理由や背景があるものです。私ども探偵社が家出調査にあたるとき、下記のように原因別に家出原因を区別します。
その他、放浪癖や宗教に絡む問題での家出など、必ず何らかの原因があるものです。
その家出原因を踏まえ、家出人の年齢や生活背景、交友関係などを分析し、残された手掛かり(所持金の有無・手紙やメモ・持ち出した所持品など)を基に家出人の調査をすすめます。
家出人の残された手掛かりを基に、家出人の足取りを掴む事から調査が始まります。借金苦で夜逃げ同然に家出をしたなら引越業者への調査、現金の手持ちが少なく、 キャッシュカードを使用しているなら、利用状況のチェック、住民票の移動の有無、各種移転手続きの確認というように、様々な角度から家出人の足取りを追います。
同時に、家出人の友人知人などに対する聞き込み、内偵調査をすすめ、家出に至る前触れ(相談・予告など)がなかったか、また、何かに悩んでいる様子はなかったかなど、 情報収集に努めますが、ご依頼に際し、対象者の知人友人から事前に情報があるようでしたら、資料にしてご提示ください。
家出した人からの音信
情報収集する段階において、その前後に家出人から音信が来ることがあります。複数で家出失踪しているのなら音信がないこともありますが、単身で家出をしている場合など、
不安感や安堵感から他人に気持ちを伝えたい衝動、または、自身への捜索状況の確認などといった理由で連絡をするのだと解釈されていますが、
それが調査の突破口となる可能性も大いにあります。
家出調査をご依頼するにあたっては、前項までに記しました、残された手掛かりなど、その時点で判明している情報を出来るだけ多くしてご提示ください。
それが小さな情報でも大きく調査に役立つことはあります。
また、ご家族知人の方にも調査中にご協力を求める場合がありますので、出来る限り全面的なご協力をお願いいたします。
家出人の捜索に際しては、警察署に捜索願を届出することにより、捜索の進展が見込める場合があります。
ただ、これについては警察が積極的に捜してくれるといった性格のものではありませんので、その点はご理解ください。
手順は以下の通りですので、まずは届出をしましょう。
届出した警察署が捜索願を受理しますと、「受理番号」が付きますので、必ず控えておいて、交付された書面をコピーしてください。
銀行口座の異動の確認などで「受理番号」を使用する場合がありますので、大変役立つ場合があります。
その他、不明な点など、詳しい事は最寄りの警察署の生活安全課までお問い合わせ下さい。
家出人を発見したからといって、それで全てが終わるわけではありません。家出人からすると、自分が帰るところに、家出の原因そのものが依然として残っている場合、
帰ることに意味がなくなってしまいます。
これでは再び家出をしてしまうことになりかねませんので、家出人の調査と同時に、家出人の家出原因の解決に努めてください。